関西ロジスティクス研究会の第4回会合として、8月21日(金)パナソニック株式会社 花田様よりご講演をいただきまし
た。以下、コーディネータの高橋様よりコメントをいただきましたので、掲載をいたします。
関西ロジスティクス研究会【8月21日(金)】高橋主査コメント
8月21日(金)に、パナソニック株式会社 SCMセンター 日本地域物流 企画担当の花田様より、「パナソニックの家電物
流 改革と今後」について、お話し頂きました。
ご承知の通り、パナソニック株式会社様は7兆7千億円を上回る売上高(2014年度)を誇る家電業界の雄で、収益面
でも急回復されている状況にあります。今回は、同社の家電事業における一連の物流改革を改めて時系列的に拝聴す
ることができました。
90年代に実施した販売会社のメーカー在庫化・二次物流の分離、一次物流と二次物流の統合から、2000年以降の
環境変化(生産工場の海外シフトや家電量販の台頭)に対し、ここ数年間でも、東西2軸拠点(2グローバル物流セン
ター・5前線拠点)政策や、海外生産品の国内消費地近郊陸揚げ、そこからの量販センターへの直送、更には物流子会
社の株式譲渡など、立て続けに展開され、そのスピード感・取り組み内容には驚かされる所が多く有りました。また、実務
面でも、月末・期末などの「物量波動」対応(輸配送の確保)や、エアコンなど季節商品の最盛期への備蓄などの「季節波
動」対応(保管倉庫の確保)を、現場の「瞬発力」として評価しているなど、興味深いコメントも頂きました。ただ、現在で
も、ドライバー不足など輸送業界事情悪化の中、エリア配送網の維持などまだまだ課題を抱えておられ、悩ましいお話し
も聞くことが出来ました。
最後に、花田様より、「営業は8勝2敗でも販売達成すれば◎、物流は9勝1敗で×、全勝でも○」や「『送料無料』が氾
濫、『送料ご負担不要』が適切な表現では」など、納得できる見解を示されるなか、物流に携わる人たちや業界そのもの
のプレゼンスの向上に努めなければ、という話には、参加者の皆様も大いに共感されたのではないでしょうか。
(文責 高橋 敬次郎 日通総合研究所)
※本研究会にご興味をお持ちの方は下記URLよりアクセスください。
(期の途中からのご参加につきましても、受付いたしております)
http://jils.force.com/ShareDetail?productid=a0R1000000AXbQSEA1
◆高橋 敬次郎 氏
日通総合研究所 調査役(関西駐在)(元シャープ 物流推進センター所長)
JILSアドバイザー