2015年3月アーカイブ

 JILSが受託実施しております経済産業省の補助事業(次世代物流システム構築事業)の一環として「コンテナラウンドユース推進協議会準備委員会」を開催しておりますが、第3回の委員会資料を公表いたしましたのでお知らせします。

 

 

■第3回委員会■

 日時:2015年3月3日(火)16:00?18:00
 場所:経済産業省 本館 第3特別会議室

 

 

 

当日の配布資料は以下のとおりです。

 

【第3回委員会資料】 ※資料はすべてpdfファイルです。

【資料1】第3回準備委員会 議事次第.pdf

【資料2】委員名簿.pdf

【資料3】これまでの議論の整理rev.pdf

【資料4】コンテナラウンドユース推進に向けた方策案.pdf

 

 

本件に関するお問い合わせ先:JILS総合研究所(電話:03-3436-3191)

 関西ロジスティクス研究会の第11回会合として、3月20日(金)ライフコーポレーション高岡様よりご講演をいただきました。以下、コーディネータの高橋様よりコメントをいただきましたので、掲載をいたします。

 関西ロジスティクス研究会【3月20日(金)】高橋主査コメント
 3月20日(金)に株式会社ライフコーポレーション 物流部の高岡様より、「ライフコーポレーションの物流戦略 取り巻く現況と今後!」について、ご講演を頂きました。
 株式会社ライフコーポレーション様は、スーパーマーケット業界の厳しい競争の中で、食品中心に成長を続けておられ、近畿圏140店・首都圏107店を有しながら、今後も積極的な出店拡大(中期計画は各200店舗目標)を目指されています。
 この成長過程で、都市部優先の店舗配置への最適な配送や、媒体(チラシ、WEB)展開時の売上急増、また食品温度の多様化・鮮度の維持管理徹底などの課題に対して、物流部門として多くの課題を抱え、その対策に奔放されておられるとのことでした。
 例えば、狭い都市部道路での3トン車活用やカテゴリー別納品・納品時刻の見直し、また繁忙時の事前必要車両確保・自動発注と在庫アイテム管理による物流波動の吸収、更には3温度帯のきめ細かい物流品質の確保(チョコレート類の低温車両での独自配送など)といった対策を説明頂きました。
 勿論、業界としての流通BMS(ビジネスメッセージ標準)や物流クレート(透かし梱包)の標準化にも率先して参画されており、商物流面での効率的な活動も行われています。
 今後は、上記対策のレベルアップはもとより、トラック稼働率の向上や納品入荷車両の混雑回避などに対して、新たな施策を検討されています。
 高岡様は、情報システム部門や人事労務部門などを経験された後に、物流部門を任され、現在キャリアスタッフとして、ご活躍されています。

 今年度は、現場見学・視察4回を含めて11回開催されましたが、今回の最終回も、会員皆さんにとって、企業物流のノウハウをご教示頂きましたご講演内容が参考になったことと思います。
 昨年5月の最初のコメントで、「INPUTなければOUTPUTなし」という言葉を使いましたが、まさに知識を数多く受け入れ、知恵を搾り出してこそ、成果につながるものと思っています。今後とも、この研究会を通じて、会員皆さんが成果を生み出され、ご活躍されんことを祈っています。
(文責 高橋 敬次郎  日通総合研究所)

 関西ロジスティクス研究会の第10回会合として、2月13日(金)スクロール360高山様よりご講演をいただきました。 以下、コーディネータの高橋様よりコメントをいただきましたので、掲載をいたします。

関西ロジスティクス研究会【2月13日(金)】高橋主査コメント
 2月13日(金)に「株式会社スクロール360」の高山取締役 オムニチャネル戦略室長様より、「オムニチャネルの進展による物流の変化」について、ご講演を頂きました。
 まだ聞きなれない「オムニチャネル」という言葉は、「ネット通販と店舗とを融合して顧客に提供し、自由にチャネルを使い分けられるようにする」という意味で、昨年が「オムニチャネル元年」と言っていいほど新しい用語だそうです。ネットを活用して、パソコン・スマートフォン更には店舗で、商品購入・受け渡し・アフターサービスまで対応する内容で、実際に成功している企業はまだ少ないようです。「株式会社スクロール360」様は、ネット通販をサポートするトップ企業であり、且つこのオムニチャネルの組み立てから物流に至る総合的な支援を事業とされています。
 今回、オムニチャネル物流において、例えば衣料通販での実物撮影・採寸から裾直しまでカバーする「ファクトリー化した物流センター」や、初回ユーザーへの折り鶴同梱・クラフトテープやパッケージの一工夫・後払いサービスなどの「おもてなし物流」のお話し、更に失敗・成功事例のご紹介など、実践的で参考となる数多くのポイントをご教示いただきました。

 企業活動の上で、戦略づくりやその遂行は大切ですが、今回のネット通販とオムニチャネルを狙いとして、新たに物流を包含した該社の取り組みは、正に素晴らしい「着眼点」と感じました。
 今月ダイヤモンド社からノウハウ本を2冊は発刊されるとのことで、今回学んだ色々な内容が、人口に膾炙されますことを願っています。
(文責 高橋 敬次郎  日通総合研究所)

過日2月26日(木)に開催された「九州物流改善事例発表会 2015」について、聴講者からの質問と発表企業からの回答を下記します。(発表順)

【ヤマエ久野株式会社の発表について】

<質問>

・生産性の指標である「処理行数」とは具体的に言うとどういうものか。

どのような作業をすれば「一行」になるのか。

<回答>

・行数=各店舗からの受注アイテム数(1アイテムで3店舗受注があれば3行)

<質問>

・再配置作業は休日や時間外に行っているのか。

<回答>

・作業自体は午前中(出荷時間外)に管理者主導で行っている。

<質問>

・再配置作業に対して作業者、パートさんから不満はないのか。

<回答>

・再配置作業を行う事で体への負担が軽くなり(重量物を下段へ配置)、必然と補充や出荷の生産性が上がる為に作業終了時間が早まり、ひいては残業発生頻度が少なくなるので作業者・パートさんからの不満は発生していない。

<質問>

・作業者パートさんは全員参加であるか。それともリーダー等であるか。

<回答>

・全員参加を原則とし、パートさんと管理者で1週間に1回、管理者とヤマエ社員で2週間に1回定期的な話し合いの場を設けている。

【株式会社九州丸和ロジスティクスの発表について】

<質問>

・改善提案制度の詳細について

<回答>

・現場(個人)から上がってくる建設的な意見(提案)を経営に反映させるため提案制度を設けており、役職員からパートタイマーに至るまで年間3万件を超える提案が上がっている。

<質問>

・良い提案に対して報酬などはあるか。

<回答>

・当社の提案制度推進委員会からの表彰が行われ、参加率の高い部門や、優秀な事例については、経営計画発表大会にて賞状と賞金が授与される。

<質問>

・パートさんから良い意見を引き出す方法について。

<回答>

・いただいた提案内容を真摯に受け止め、何らかのアクションを取ると、パートさんからさらに良い意見をいただけることが個人の実感としてある。

 ただし、こうしたアクションが取れなければ、たちまち制度も形骸化してしまうので、そのようにならないように、きちんとしたマネジメントを日頃から行わなければならないと、ここ最近は強く感じている。

【株式会社あんしんの発表について】

<質問>

・改善マン研修生はどのようにして選ばれているか。

<回答>

・研修生が選ばれる基準に関しては各現場のリーダーや運行管理者などが選ばれる(基本、主任以上が選ばれる)

<質問>

・どのくらいの期間で改善活動を行ったか。

<回答>

改善マン研修は上期(3月?8月)、下期(9月?翌年2月)で分かれており、どの研修も半年単位で行われている。上期、下期で優秀事例に選ばれた事例に関しては3月に行われる会社の方針確認会にて全社員に向けての発表を行う。

【TOTO株式会社の発表について】

<質問>

・観測の手法はビデオ映像によるものか。

<回答>

・観測方法はビデオでの撮影とDM計で要素分析を行った。また、作業者視点での気付き観測を実施した。

<質問>

・歩行ロスや手持ちでの削減効果、その他大きな効果が出ている部分等開示できるもの。

<回答>

・出庫側では、搬送待ちの待機時間(残業)や出荷トラックの待機時間が大きく削減できている。

【株式会社松岡の発表について】

<質問>

・顧客満足度はどのように算出しているか。

<回答>

・お客様満足度調査のアンケートを行っており、その回答から算出している。

1)内容としては大きく6つのカテゴリーになる。

  (1)電話対応 (2)接客マナー (3)営業面 (4)帳票関係 (5)作業内容?(6)総合

2)上記1)は全部で14項目に分かれる。

3)上記2)を3点評価(他社に比べ、良い、並、悪い)にわけ顧客より回答をいただき、評価点を算出している。

4)14項目に細分化された中で、具体的に何が良いかをマーキングする内容があり、顧客より強化されれば維持拡大に努めマーキングがなければ、その点を重点的に見直しを行い、CS向上に努めている。

【三和酒類株式会社の発表について】

<質問>

・商品の出荷量と販売量との関係は同じか。

<回答>

・今回の事例は当社拠点への輸送に関するもので、出荷量と販売量は同じではない。

?<質問>

・消費税率の変更による事前購入による出荷量はどうであったか。

<回答>

・増税前の3月販売数量は、前年対比の約120%であった。

?<質問>

・一車輌の積載率は何パーセントか。

<回答>

・物流拠点への輸送については、一台当たり約95%の積載率である。

以上

九州ロジスティクス活性化研究会3月度(第9回)会合のご報告

九州ロジスティクス活性化研究会3月度(第9回)会合として、3月13日(金)東レ株式会社 物流部長の澤野 幸男 様より「東レの物流改革 -固定観念からの脱却と意識改革によるトータル競争力の強化-」のテーマでご講演をいただきました。

主査の高田先生よりコメントをいただきましたので、掲載をいたします。

九州ロジスティクス活性化研究会【3月13日(金)】高田主査コメント

平成26年度第9回(3月度)の研究会は、「東レの物流改革」の題目で、東レ株式会社 物流部長の澤野様にご講演を頂きました。 同社は、最近ではユニクロとのヒートテックなど素材の共同開発や、ボーイング787型機をはじめとする新型航空機への炭素繊維素材の供給などで話題となっています。経営面では、2006年から2009年の期間で大きな経営課題の克服を図り、現在は新たな成長戦略を実行している途上とのことです。

同社の経営戦略の中核をなす4つの戦略において、「グリーンイノベーション」、「ライフイノベーション」、「アジア・アメリカ・新興国事業拡大」などと並んで「トータルコスト競争力強化」が掲げられ、物流戦略はこの中に組み込まれています。つまり、物流部門単独の取り組みというよりは、全社的な目標のなかで物流部門が及ぼす影響やもたらしうる価値を社内で共有しながら、他部門や社外と連携して戦略が実行されている点が特徴的です。

具体的には、「既成概念からの脱却」「発想の転換」「壁を越えた連携」の意識改革のもとで、物流部員が60の改革提案を整理・提示し、関連部署や外部ステークホルダーと協力しながらトータルコスト削減にむけて活動を続けています。

このような活動を円滑かつ効果的に行うために、例えば物流部員には、営業部や関係会社、海外経験者、外国人、物流他社(中途採用)、などを意識的に構成員に含めるようにし、「新しい視点」で物流部の業務を捉え直す風土を形成し、「ガラパゴス化」を回避する努力がなされています。また、社内関係部署の物流への正しい理解を促すために、社内研修講座(必須)の中に「物流コース」を設け、知識や意識のレベル合わせが行われています。その過程では、「タウンミーティング」と呼ばれる小集団での勉強会を頻繁に行うなど、表には出てきづらい緻密な活動も展開されています。

このような活動を継続することによって、東レ(単体)での運輸比率(対売上高)は、かつて1.8%を超えていたものが、近年では1.5%程度まで低下させることに成功しています。同時に、社としてのCO2排出量も、かつては8%近かったものが、近年では5%程度まで低下しています。

以上のような同社の取り組みをお聞きすると、奇をてらった内容ではなく、取り組むべき課題を明確化して全社的に共有し、その実行にあたっては物流部に閉じずに関係部署(特に営業部)を巻き込みながら成果を上げる、という極めて地に足の着いた取り組みだということがよく判ります。また、そのことによって改革の効果を高めることに成功しているとも言え、経営改革・物流改革の着実な実行という面で、大いに参考になるご講演でした。

(文責:高田 仁、九州大学大学院経済学研究院)

 トラック運送業においては、荷主、元請事業者、下請事業者間の取引の適正化を図るため、平成16年度から下請代金支払遅延等防止法及び独占禁止法物流特殊指定が適用されています。


 また、こうした法律による規制に加えて、政府で取りまとめられた「成長力底上げ戦略」及び「経済財政改革の基本方針2007」等において、 業種ごとに適正取引を推進するためにガイドラインを策定することが決定されました。


 このため、国土交通省では公正取引委員会と協議の上、平成20年3月14日に公表したところですが、さらに適正取引の推進が図れるよう、トラック運送事業者の負担となっている商習慣による問題等となる手待ち時間の改善等について記述を行うなどの改訂が行われました。

 詳しくは以下リンク先をご参照ください。

 http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk4_000004.html

「在庫適正化実践セミナー」を2015年3月11日(水)にJILS本部研修室(東京都港区)にて、14名の出席のもと開催いたしました。

午前中は、株式会社MPCi 代表取締役 主席コンサルタント 太田 達也氏より、荷主企業における在庫のあり方や、在庫適正化に向けた基準の設定と適正基準を維持するためのポイントについての講義がなされ、在庫適正化へのアプローチとしてPSI計画のご紹介等をいただきました。

午後からは、マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社 コンサルタント 梅村 康一氏の指導のもと、社長特命のタスクフォースチームメンバーとして、在庫・出荷に関するデータ等に基づく現状分析、問題分析と改善案立案を行うケーススタディにグループ演習形式で取り組みました。特に、トータルの在庫日数を基準以下におさえつつ、各セグメント別の目標在庫日数を設定する部分では、各グループとも、ノートパソコンの表計算ソフトを用いて、数値を微調整しながら、検討する様子がうかがえました。
また、検討された内容は「経営会議」(グループ発表)の場において、各グループにご発表をいただきました。

太田、梅村両講師からは、「在庫そのものは悪ではなく、役割を果たしている在庫は理論的に説明がつくもの。役割以上の在庫が悪(ムダ)であり、その適正化に向けては適正な在庫基準を設定し、そのレベルを維持しなければならない。そのための1つのポイントはセグメント化である。現在、自社でどのようなセグメント化がなされているのかを調べてみる等、会社に戻られてから、何らかのアクションに結び付けてほしい」と参加者への期待の言葉で締めくくられました。

<講義風景>                        

講義風景.JPG 
<グループ討議>
グループ討議.JPG

<「経営会議」(グループ発表)>
「経営会議」(グループ発表).JPG

なお、本セミナーは、次回は2016年2月頃の開催を予定しております。皆様のご参加をお待ちしております。