本年7月10日より東京地区で開講しております第104期物流技術管理士資格認定講座の講義をご紹介します。
8月6日(火)に開催された第3単元「包装技術」の事例紹介では、日本スーパーマーケット協会 流通推進部 アドバイザーであり、第36期物流技術管理士の西村 武英氏より、「食品クレートの標準化の取り組み」についてご紹介いただきました。
食品クレートの標準化は、2007年「物流クレート標準化協議会」の設立以降、経済産業省の実証事業を経て、2009年より関西地区の4社で標準クレートの導入がスタートしました。6年経過した現在では、主要小売34チェーンで日量14万枚(最大)もの標準クレートが流通するまでに至っております。
進展のポイントは、(1)検討時の定量的な効果試算、(2)運用ルールの制定(現在、5つのガイドライン・マニュアル)、(3)運用中に発生した問題・課題に対し、地区部会において1つずつ解決していき、その内容を前述のガイドライン・マニュアルに反映してきたこと、が背景にあると考えられます。これらは、食品クレートの標準化に留まらず、共同化を進める上でも重要なポイントにも通じるものがあります。
また、具体的に標準クレートを導入したスーパーマーケット各社における改善取り組みをご紹介いただきました。物流部門だけではなく、取引先、仕入部門、店舗といった前後工程も含めた改善・効率化がなされていることが特徴的でした。西村氏からも「小売業の物流部門は、単に物流コスト削減だけを考えるのではなく、後工程等の効率を考えることも使命である」とお話いただきましたが、どの業種の物流部門にもあてはまる内容だと実感しました。
参考:日本スーパーマーケット協会 物流クレート標準化事業
<講義風景>