関西ロジスティクス研究会11月度(第7回)会合のご報告

 関西ロジスティクス研究会の第7回会合として、11月21日(金)研究会参加者の日本ペイント株式会社 林様および、
特別講演として丸川経営企画研究所の丸川様よりご講演をいただきました。

 以下、コーディネータの高橋様よりコメントをいただきましたので、掲載をいたします。

関西ロジスティクス研究会【11月21日(金)】高橋主査コメント

11月21日(金)に、日本ペイント株式会社 生産本部 生産企画部 業務グループ の林 部長様から
「物流の困りごと 積載率向上とコストダウン」について、また丸川経営企画研究所 丸川所長様から「流通の最新動向」
について、お話し頂きました。

 日本ペイント株式会社の林部長様の事例発表では、塗料業界の物流は、「危険物・重量物・ジャストインタイム」の
特徴に加え、製品が石油缶・ポリ缶・ドラム缶・コンテナ・紙袋・ダンボール箱と多様な荷姿があり、冒頭のご説明からも、
その大変さが理解されました。
しかも、最近では「小口分散化・現場直送・遠距離化」ニーズが高まり、コストアップの要因にあることや、さらに
パレット輸送での回収問題が課題となっているとのことです。
 これらを解決するために、物流拠点の整備や、11月から新たなシステムを導入したり、パレット回収の多様な方法を
模索するなど、現在改善活動に取り組んでおられます。

 しかし、今回の問題は、物流業界の課題として共通点が多く、WINWINで解決できる妙案が少ないのも事実で、
出席会員メンバー間でも積極的に意見交換がなされました。

 一方、丸川経営企画研究所の丸川所長様の特別講演では、以前勤務されました株式会社ダスキン様や
タビオ株式会社様のご経験をもとにして、社会・経済・流通など幅広い話題を中心に、最新情報の一端をご説明頂きました。
 くつ下業界での女性用需要の変化やアウトレット品のものづくり、更には、新たな免税店や地方スーパー・小型専門店
の生き残り策など、多岐に亘るマーケティングの最新動向や成功事例、又、それを踏まえたコメントを頂き、
勉強になるところが多くありました。

 ビジネス用語に「TRADEOFF」という言葉があります。「より有利なものを得る為に、何かを差し出す取引。
同時に達成できることをバランス取って行うこと」の意味です。企業であれ流通であれ、絶えず厳しい競争環境に
あるだけに、市場のニーズや変化を汲み取り、一方で、今回のように、多くの意見や知識を蓄積した上で、
TRADE OFFを理解し、バランス良く推進することが大切であると感じた次第です。
(文責 高橋 敬次郎  日通総合研究所)