調査実施における品質向上の取り組み例(誤送付の防止)

 調査活動しては、アンケートなどの郵送作業が頻繁に発生します。
 個人情報の漏洩等を防ぐためには、郵送作業における誤送付を無くすことが必要であり、このような観点から、様々な工夫を行っております。
 物流における誤出荷防止の活動と大きな違いはないと思いますが、次のような点に注意して、作業計画を立てております。

(1)照合ポイントの最小化
 ラベルと宛名付きの文書など、複数の内容物をセットにして送付するのはミスを誘発する恐れがある。そのため、照合が必要な要素は極力なくす。ラベルと文書は一体化し、窓アキ封筒を利用する、ラベルと明細はデータベースから両面で出力する、など。
 また、文書の点数の増大も、添付漏れ等のミスを誘発することから、点数は極力削減する。複数の書類を1冊に綴じ、表紙に目次を付ける等。

(2)残数チェックの多重化
 送付漏れや、他の送付先への混入を避けるためには、残数チェックが有効である。ただし、発送全数(例えば千通)を対象とした残数チェックでは、ミスの特定が難しいうえ、ミス同士が相殺される危険がある。そのため、例えば送付50件ごとに必要数量を揃え、この単位で残数チェックを行う。
 これに加え、50件ごとの発送書類内での数え間違いを防止するため、チェックを多重化し、発送全数に対しても残数チェックを行う。

(3)チェックポイントの明確化
 書類を揃え、封筒に詰める作業の途中に、チェックポイントを設ける。中間段階でチェックするためには、例えば内容物を2重化することが必要である。例えば、いったんクリアフォルダに入れ、チェックを行い、クリアフォルダごと封筒に封入する。クリアフォルダに入った書類はすべてチェック待ちの状態を表すこととなり、チェックポイントが明確化する。

(4)作業者による品質のばらつきのコントロール
 重要なチェックポイントと最終チェックポイントでは、高い品質が求められる。中でも特に重要な照合ポイントは、かならず担当者自身がチェックする。

(5)整理・整頓
 作業場所に不要な物品を持ち込まず、不要品はすぐ廃棄する。

(JILS総研)