ロジスティクスと環境問題
ロジスティクス分野が大きな影響を与える主な環境問題として、 地球温暖化、資源の枯渇、廃棄物があります。ここでは、これら の問題とロジスティクスの関わりについて見てみましょう。
トラックや鉄道、船舶を使って行われる輸送活動やフォークリフトを使う荷役作業、 また、冷凍・冷蔵倉庫での保管行為など、軽油や電力などのエネルギーの使用は、 地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を排出することに他なりません。 日本の二酸化炭素排出量は1990年度以降も増加し続け、2005年度には12億9,300万トンに達しました。 そのうち、ロジスティクス分野と深いかかわりを持つ運輸部門*1からの排出量は 全体の19%を占めるばかりか、1990年度から18%も増大しています。
日本のCO2排出量の推移
物流品質を確保するために多用されている包装資材は、紙や プラスチックなど、地球上の有限な資源である森林資源や原油 などから作られています。また、使い終わって捨てられる包装 資材は廃棄物となり、燃やされたり埋め立てられたりします。 包装資材を使うことは、有限な資源を使うことであり廃棄物 を発生させることでもあります。 段ボール1kgを作るためには1.76kg*2、また、プラスチック (発泡スチレン)1kgを作るためには3.01kg*3の二酸化炭素が排 出されているとする推計結果もあります*4。
ライフサイクルアセスメントの概念
出典:ISO14000環境マネジメント便覧 P137 1999年 日本規格協会