循環型社会 Sustainable society/Recycling-Based Society/Circulating Society

  「循環型社会形成推進基本法」(2000年)によって広く認知されるようになった言葉で、基本法2条で「(1)製品等が廃棄物等になることが抑制され、(2)製品等が循環資源となった場合においてはこれに適正に循環的な利用が行われ、(3)利用されない循環資源については適正な処分が確保されることによって、天然資源の消費を抑制し、循環への負荷が出来る限り低減される社会」と定義されている。
  人類は古代文明の発生以来、必要とする資源を収奪などによって他に求め、不要になればこれを廃棄物として処分してきた。
  その行く着いた先として、今日の大量調達→大量生産→大量流通→大量消費→大量廃棄の社会システムであるが、地球環境問題となって人類存亡の危機に直面することになった。
  循環型社会では供給システムを、調達→生産→流通→使用・消費→回収→再資源化(→調達…)という循環過程として捉えて、最適生産、最適消費、最小廃棄を支えていくことになる。
  江戸時代のわが国は島国で他国との交易が少なかったこと、金属など資源に乏しかったことなどから、調達できる限られた資源を循環利用する社会システムを確立していて、このシステムを支えるリユース、リサイクルの仕事がたくさん存在して、世界で唯一の現存した循環型社会を実現していた。
  戦後の高度経済成長期以降は、この社会システムは徐々に崩壊してしまって現在はほとんど形を残していないが、その知識・経験も活かし、かつ新たにライフサイクル・アセスメント(LCA)、ゼロエミッション、インバース・マニュファクチャリングなどの新技術・新産業コンセプトの力を加えて、今日的で世界の範となる持続可能な新社会システムとして循環型社会の形成を目指していこうと、国家方針として法制化をしたものである。
  なお、平成12年を循環型社会元年と位置づけて、環境省が『環境白書』とは別に、平成13年より毎年『循環型社会白書』を公表している。


 

 


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