エコロジカル・フットプリント Ecological Footprint

    一人の人間が持続的な生活を営むために必要な地球上の面積を指す用語。

   カナダのブリティシュ・コロンビア大学が開発した指標で産業経済活動の大きさを、それを支えている生態系の面積で表し、「ある特定の地域の経済活動、またはある特定の物質水準の生活を営む人々の消費活動を永続的に支えるために必要とされる生産可能な土地および水域面積合計」と定義されている。

   地球全体にとっての持続可能な社会を構築するためには、「人間の経済活動が生態系の環境収容能力の範囲内で無理なく行われているかどうか」といった議論が背景にあり、これは「経済の環境収容能力要求量」とも説明される。
  今日地球の持つ環境収容能力と経済活動のバランス状態を測る永続的指標の必要性が増している。これは「人間の経済活動の規模は果たして地球生態系の環境収容能力とバランスがとれているか、もし超過しているとすればどの程度超過しているのか、肥大化した経済活動の規模はどのようにどれだけ減らす必要があるのだろうか」という数量的政策目標を立案するための分析道具が求められていることに他ならない。
  世界自然保護基金(WWF)はこのエコロジカル・フットプリントを用いて、1996年現在における世界の環境容量(地球が持続可能であるための環境負荷の最大値)を計算した。この結果によれば地球一人当たりの公平割当面積は2.18ヘクタールであったのに対し、エコロジカル・フットプリントは一人当たり2.85ヘクタールであったので、世界全体の社会活動はすでに地球の環境容量の約1.3倍と環境容量の限界点を超えており、世界中の人々全員が日本人と同様の消費水準で生活をしようとすれば地球が2.7個必要になるという結果まで出ている。


 

 


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